おがわクリニック

〒576-0041 大阪府交野市私部西2-6-1 メディカルテラスかたの1F
072-808-6553

xxxx

心房細動

Medical

心房細動

心房細動とは、心臓の上部にある心房という部分が不規則に高速で動く不整脈の一種です。心房細動になると、心臓のポンプ機能が低下し、血液の流れが悪くなります。その結果、動悸や息切れ、めまい、疲労感などの症状が現れることがあります。また、心房内に血栓ができて脳や他の臓器に詰まると、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。

原因

心房細動の原因は、さまざまな要因が関係しています。一般的には、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や、冠動脈疾患や弁膜症などの心臓病が心房細動のリスクを高めます。また、加齢や遺伝的な素因も影響すると考えられています。

心房細動の原因の中でも、近年注目されているのが睡眠時無呼吸症候群(OSA)です。OSAとは、睡眠中に上気道が閉塞して呼吸が止まることを繰り返す病気です。OSAは、夜間の低酸素や血圧変動などによって心臓に負担をかけ、心房細動を誘発する可能性があります。OSAは、肥満や加齢、喫煙などが危険因子となります。

治療

心房細動の治療は、主に以下の3つの目的に分けられます。

不整脈コントロール
心拍数を抑えることで、心臓への負担を減らし、症状を改善します。
リズムコントロール
正常なリズム(洞調律)に戻すことで、心臓のポンプ機能を回復し、再発を防ぎます。
血栓予防
抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を服用することで、血栓の形成や合併症の発生を予防します。

不整脈コントロールは、β遮断薬やカルシウム拮抗薬などの薬物治療で行われます。リズムコントロールは、抗不整脈薬や電気的除細動(電気ショック)などの薬物治療や非薬物治療で行われます。また、リズムコントロールの中でも、カテーテルアブレーションという方法が注目されています。

カテーテルアブレーションとは、心臓の内側に細い管(カテーテル)を挿入し、心房細動の発生源となる心筋組織を高周波電流で焼灼(しょうしゃく)することで、不整脈の伝導路を遮断する手術です。カテーテルアブレーションは、抗不整脈薬に効果がない場合や、抗不整脈薬の副作用がある場合に適応となります。カテーテルアブレーションは、心房細動の再発率を低下させる効果が高いとされています。

血栓予防は、心房細動の患者様にとって最も重要な治療です。血栓予防には、ワーファリンやプラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなどの抗凝固薬が用いられます。
プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナはDOAC(直接経口抗凝固薬)と呼ばれる新しいタイプの抗凝固薬です。抗凝固薬は、血液を固まりにくくすることで、心房内に血栓ができる事を防ぎます。抗凝固薬は、出血のリスクがあるため、定期的に血液検査や医師の診察を受ける必要があります。

検査

心房細動の診断は、主に心電図やホルター心電図などで行われます。心電図は、心臓の電気的な活動を記録する検査です。ホルター心電図は、24時間以上にわたって心電図を測定する検査です。これらの検査で、心房細動の有無や頻度や持続時間などを判定します。

また、心房細動の原因や合併症を調べるために、以下のような検査も行われることがあります。

心臓エコー検査
超音波を使って心臓の形や動きを映像化する検査です。心臓の大きさや弁の状態、血液の流れなどを評価します。
胸部レントゲン
X線を使って胸部の写真を撮る検査です。肺や心臓の大きさや形などを評価します。
血液検査
採血して血液中の成分や凝固能などを調べる検査です。貧血や感染症、甲状腺機能障害などの原因や、抗凝固薬の効果や副作用などを評価します。
睡眠時無呼吸症候群(OSA)の検査
睡眠中に呼吸が止まる回数や時間などを測定する検査です。OSAの有無や重症度などを評価します。

当院では

当院では、心房細動の診療に最新の技術と豊富な経験を持つ循環器専門医が取り組んでいます。心房細動の原因として、睡眠時無呼吸症候群(OSA)が関係している場合が多いことから、診断治療にも力を入れています。

睡眠時無呼吸症候群の診断には、ポリソムノグラフィーという精密な検査が必要です。ポリソムノグラフィーは、睡眠中に脳波や呼吸・心拍・血圧・酸素飽和度などを同時に測定する検査です。当院では、出張にてポリソムノグラフィーを行っております。患者様は自宅で就寝しながら検査を受けることができます。これにより、入院での検査に比べて負担が少なく、より自然な睡眠状態で睡眠時無呼吸症候群の診断ができます。

治療には、CPAP療法という方法が有効です。CPAP療法とは、睡眠中に鼻や口に装着したマスクから一定の圧力で空気を送り込むことで、上気道を開放し、呼吸が止まるのを防ぐ治療です。当院では、CPAP療法を積極的に行っています。CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の改善だけでなく、心房細動の再発予防や血圧の低下などの効果も期待できます。

また、循環器内科専門医と提携し、カテーテルアブレーションの紹介も積極的に行っています。カテーテルアブレーションは、心房細動の根治治療として高い効果を示す手術で、心房細動の原因や症状に応じて、信頼できる医療機関に紹介をしております。

当院では、心房細動の診断と治療に高い実績を持つ循環器専門医が多数在籍しており、最新の検査法や治療法を提供しています。また、心房細動の原因となる生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群などに対しても内科専門医と連携して対応し、心房細動の予防や再発防止に努めています。心房細動でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。