おがわクリニック

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間質性肺炎

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間質性肺炎

間質性肺炎は、肺の内部にある肺胞の壁とその周辺組織、いわゆる肺の間質部分に炎症が起こる一連の疾患です。この状態は肺胞壁が段階的に厚くなり、固くなることを特徴とします。この過程で肺胞壁が硬化し、これを線維化と称します。結果として、肺の伸縮性が低下し、正常な呼吸が妨げられます。これが息苦しさや咳という症状の原因となります。

間質性肺炎は通常、進行性であり、時間とともに肺の機能が徐々に低下します。このため、患者様は日常生活で軽い活動をしているだけでも息切れを感じることが増え、運動時や労働時の呼吸困難が顕著になります。

原因が明らかでない場合は「特発性間質性肺炎」と呼ばれ、一方で特定の原因が判明している場合は「続発性間質性肺炎」と分類されます。続発性間質性肺炎の原因としては、膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症など)、肺サルコイドーシス、職業的・環境的要因(例えばアスベストによる曝露)、薬剤使用などが含まれます。

このように、間質性肺炎は肺の線維化という進行性の過程を特徴とし、様々な原因が関与していることが知られています。

間質性肺炎の検査

画像診断
まず肺の状態を詳しく把握するために、胸部レントゲン検査やCT検査を実施します。これらの画像診断により、肺の異常な影や線維化の有無を確認します。
血液検査
間質性肺炎は膠原病と関連して発症することがあるため、血液検査で膠原病に関連する自己抗体や炎症マーカーを測定します。これにより、間質性肺炎が膠原病と関連しているかを評価します。
肺機能検査
肺の機能を評価するため、呼吸量や肺の拡張性を測定する肺機能検査が実施されます。
気管支鏡検査および
胸腔鏡下肺生検
原因を特定するため、必要に応じて気管支鏡検査や胸腔鏡下肺生検が行われることがあります。
これらは専門的な手技が必要であるため、専門施設に依頼いたします。

間質性肺炎の治療

抗繊維化薬による治療
間質性肺炎に対して、抗繊維化薬が用いられることがあります。当院では、オフェブ(一般名:ニンテダニブ)とピレスパ(一般名:ピルフェニドン)といった抗繊維化薬を採用しており、線維化の進行を遅らせるとともに、肺の機能を維持するために役立ちます。
膠原病との関連による治療
間質性肺炎が膠原病と関連している場合、当院の膠原病専門医と連携し、免疫抑制剤やプレドニン(一般名:プレドニゾロン)などのステロイドを適切に使用して、最適な治療を患者様に提供しています。
呼吸不全の管理
肺の酸素取り込み能力が低下し日常生活に影響が出る場合、在宅酸素療法を行います。ご自宅で酸素供給装置を使って酸素を吸入する治療法で、携帯用の酸素ボンベも利用可能です。
さらに、呼吸不全が身体機能に影響を及ぼし、生活に制約をもたらす場合は、訪問リハビリやデイケアでの呼吸リハビリテーションが行われます。当院の理学療法士が患者様のニーズに応じた評価と指導を行い、リハビリテーションプランを立案します。

間質性肺炎は、肺組織に炎症が生じ、線維化(組織の硬化)が進行する病態であり、治療の目的は症状の緩和、肺機能の維持、および病気の進行を遅らせることです。
患者様の症状や病状に応じて多岐にわたるため、個別の治療プランが重要です。当院では、患者様の生活の質を向上させ、症状を緩和することを目指して、専門的な治療と総合的なケアを提供しています。